キッチン天井の気密・断熱加工に向けて
こんにちは!
2024年4月に熊本県和水町で築156年の古民家を購入し、自分たちでフルリノベしています。
今回はいよいよ、キッチンの天井の気密・断熱加工の紹介をしたいと思います。
キッチンにもともと施工されていた天井を撤去してみて、そもそもどうしてあのような天井を入れたのかがよく分かります。
理由はおそらく「寒かったから」だと思われます。
ご覧の通り天井は隙間だらけで、夏は風通しが良く涼しいかもしれませんが、冬はおそらく隙間風吹きすさび凍える寒さだと想像できます。
これがいわゆる「古民家は寒い」と言われる所以です。
この家のキッチン部分は家全体の1/3程度の面積を占める広さがあるので、この部分が寒いと家全体が寒いことになります。
その上、キッチンはそこで過ごす時間が長い場所なので、住むためにはキッチンは是非とも快適な空間にしたい。
快適な空間を目指して考えること
冬でも快適な空間にするためには次の2つのポイントを押さえる必要があります。
- 気密性能の向上:隙間という隙間を塞いで隙間風をシャットアウト
- 断熱性能の向上:外の熱や冷気が中に入って来にくい構造
これらは天井だけでなく、壁や床すべてに共通するポイントです。
気密・断熱性能が良くない家で冷暖房を入れてもいまいち効果が感じられず、電気代・ガス代・灯油代ばっかりが掛かって全然快適じゃない家になってしまいます。
ところが、ここに一つ落とし穴があります。
家の機密性能が上がるということは、家の中の空気が外に逃げにくくなるということです。
例えば家の中でパスタを茹でたりお風呂に入ったりすると、室内の気温が上がりますが、湿度も同時に上がります。
そして空気中の水分は、気温が高いと空中に湿度として漂いますが、気温が下がると水滴となって温度の低い物の表面に現れるという性質があります。
夏にグラスに冷たい飲み物を入れて置いておくと、グラスの表面に水滴が付くのも同じ原理です。
壁や天井などの断熱性能が低いと、冬には壁や天井の温度が低いので壁・天井の表面に水滴が発生します。
ところがこれらの断熱性能が高いと、表面の温度もあまり低くないので水滴が現れませんが、壁・天井の断熱材の内部で急激に温度が下がるので、そこで水滴が発生することになります。
壁や天井裏で水滴が発生すると、内部でカビが発生したり、木材に水分が移って木材が腐ったりシロアリがやってきたりする原因にもなります。
また、断熱材がグラスウールの場合だと、内部で水滴が発生すると重くなって断熱材の外側のビニール袋の内部でグラスウールがずり下がり、上部の断熱効果がなくなってしまうことにもつながります。
じゃあどうすればよいのか。
まず、定期的に換気をしましょう。湿度が上がりそうな場所(キッチンや風呂)に換気扇を設置したり、最近の家では全館換気システムなどが備え付けられている家も多いです。
そして、室内の湿度が壁内部や天井裏に入り込まないよう、湿気の遮断が必要となります。
また、万が一壁や天井内に湿気がこもったときのために、壁や天井内部の換気もできればより安心でしょう。
これらのことを踏まえた上で、次回からは実際の作業工程を順次ご紹介していきます。
ではまた!
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