構造上トラブル発見!!
こんにちは!
2024年4月に熊本県和水町で築156年の古民家を購入し、自分たちでフルリノベしています。
今回は、家を内覧した時には気が付かなかった重大な構造上のトラブルの発見とその対処をご紹介します。
発見の経緯
この家には敷地内に立派な樹木が多数植えられて育っています。
そのうちの一本の立派な梅の木が壁を解体した浴室の近くに枝の一部が家の屋根を覆うように生えています。
梅は落葉樹なので、屋根の上には長年の梅の落葉が積もっており、特に樋の中は落葉が分解されて腐葉土になって詰まっていたので、屋根に登って掃除をしていたときのことです。
ふと見上げると、和室の方の屋根の一部が若干たわんでいるように見えたのです。
あれ?と思い、そのすぐ下の梁を見てみると。。。
継ぎ目のところで右側が明らかに沈んでいる!
どうもおかしいので、屋根裏に登って中から確認したところ、この右側の梁の荷重を支えるもう一本の梁がこの下段に並行してはいっていて、その梁の端から1m弱ほどが腐ってぼろぼろになっていました。
屋根裏には電灯がなく真っ暗なのと、発見のショックで写真を撮り忘れていました。
文章では少し伝わりずらいので中から見た様子を図にしてみました。
赤色部分が腐敗による損傷個所です。
上側の梁によって何とか屋根の重さが支えられているものの、もしこの状態で地震などが起きたことを考えるととても不安な状態。
下側の梁を交換するのが一番正当な方法かもしれませんが、昔ながらの梁で大きく曲がっているので同じものを探すのは不可能だし、交換するとなると莫大な費用が掛かると予想されます。
別の案としては、この腐っている箇所を取り除き、支えを地面まで伸ばす方法。この真下は和室の奥の壁から約1mほど離れた場所なので、そこに追加で柱が来るのはできれば避けたい。
そんな中、すでに和水町に移住している友人夫婦の紹介で、町内の工務店の方に連絡し、現状を確認して対策を相談してみました。
現状を確認してすぐに「10万もあれば柱を立てずに修理できるよ」とのことだったので、お願いすることにしました。
4mの長さの大きな材を屋根裏に運び入れるのに3人ほど人手が欲しいとのことだったので、近くに住む友人たちにお願いして、日程調整をして工事当日に備えました。
修復作業
そして工事当日、工務店の方ともう一人大工さんが来られて、声を掛けた友人たちも駆けつけてくれました。
一番大きな材は30cmx10cmx4mほどの大きな材。他にも10.5cm角材や間柱材などを準備してきてくれています。
トラックからこれらの材を皆で運び入れ、無事屋根裏の空間に移動できました。
今回の作戦としては、屋根の重さをジャッキで持ち上げ、その間にこの大物材を上の梁の継ぎ目を渡して前後両方下の梁から支え、同時に大物材と上の梁を支える各柱にボルトで固定するというものです。
こちらも文章では伝わりづらいので図にしてみました。
オレンジ色が今回新たに入る材です。
では作業に入ります。
安定している別の太い梁2本の間に10.5cm角材を2本縦に重ねて渡し、その上にだるまジャッキを2つ使って屋根を支える「小屋梁」のうち、損傷個所付近の二つを下から持ち上げます。
屋根の重みを受けて角材がたわんできているのが分かります。
こんなにも屋根が持ち上がった! |
そして天井裏別の立派な梁の下側も下がっていたので、これも上から吊り上げて、大きな木槌で補修します。
続いて屋根裏への入り口部分の補強もやってくれました。
大工さんたちの頭あたりに来ている梁が問題の腐っていた下の梁の逆端です。
上から柱で屋根の重さを支えているにもかかわらず、下に支えがなく宙ぶらりん状態です。
ここは大工さんたちが指摘し、本作業のついでにこちらの補強までしてくれました。
そして作業は3時頃には終わりました。さすがに早い!!
完成
当初の作戦通り、素晴らしい手際で完工してくれました。
新たな大物の梁は両端を別の梁に支えられ、既存の柱にボルトでしっかりと固定されています。
腐った梁の下に角材を噛ませ、元の位置に戻して固定されました。
ずれていた上の梁も本来の位置に元通り。
屋根裏の入り口付近の補強も完璧にやってくれました。
これでもし地震とかが来ても屋根は大丈夫だろうという大工さんのお墨付きをいただきました。
次回はキッチンに戻り、天井の気密・断熱の様子をご紹介したいと思います。
ではまた!
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