薪ストーブ物語

こんにちは! 


 2024年4月に熊本県和水町で築156年の古民家を購入し、自分たちでフルリノベしています。


今回は薪ストーブのお話を紹介しようと思います。

薪ストーブとの出会い

私たちが住んでいたカナダの西海岸は、緯度的には稚内よりもさらに北に位置するので寒くて当たり前といえばそうですが、太平洋の温暖な気流が南から流れ込むので、カナダの他の地域と比べると比較的と温暖な気候です。

それでも冬に寒波が来るとマイナス二桁の気温まで下がって雪が何日も残ることはよくありました。

カナダの冬化粧

そういう気候なので、カナダの家は一般的にしっかりと断熱がされており、セントラルヒーティングなどの全館暖房設備が義務付けられているので、室内ならどの部屋でも暖かく過ごせるようになっているのが当たり前になっています。

さて、バンクーバー島に住んでいた時の家には、電力で動くセントラルヒーティングのほかに小型の薪ストーブも設置されていました。

もともと焚火など、火を扱うのが好きな性分なので、少しでも寒くなれば薪ストーブを点けて生活していました。

揺らめく炎を眺めながらじんわりと暖かいストーブに当たってくつろいだり、ストーブの上で料理をしたり、洗濯物を乾かしたりするのはとても満ち足りた気持ちになるのでした。

また、薪ストーブを点けていれば、真冬でもセントラルヒーティングなしで十分に暖かく、おかげで電気代がかなり安く抑えられていました。

小さな平屋で家自体の断熱もしっかりとしているためか、夜寝るときに薪をいっぱいにくべて寝て、朝起きて外がマイナス気温でも室内は16℃を下回ることはありませんでした。

そこでの経験以来、将来住む家には絶対に薪ストーブが欲しいと思うようになりました。


引越し、そして帰国

その家は賃貸だったのですが、静かで自然豊かな森の中にあり、環境はとても気に入っていました。

カナダの当時の住宅事情は非常に厳しく(今はもっとひどいと聞きますが・・)、都市部なので一軒家を買おうとするとおんぼろの中古物件でも軒並み8千万円は下らず、平均1億円はざらに超えるような金額ばかりです。

賃貸でも家賃は高く、カナダに住む人の大半は「住」の問題で苦しんでいるように見受けられます。

カナダの永住権を持っていて安定した仕事もあったので、当時はそのままカナダに長く住むつもりでおり、家賃や大家さんの都合などに左右されない自分の家をそのうち購入したいという意思のもと、家探しを続けていました。

このような住宅事情なので、私たちの手の届きそうな値段の家は都市部からかなり離れた地域や離島に限られていました。

幸い私たちは自然の豊かな田舎で暮らしたかったので、都市部からそれなりに離れていることは問題ではありませんでした。


そんな中、2020年コロナが世界を覆いました。

コロナ禍によって私の仕事も大半がリモートで行うようになったことと、金利が歴史的なほど低く抑えられたことによって、2021年6月にようやく持ち家を手に入れるという夢が叶ったのです。

ついに手に入れたマイホームの場所は、バンクーバーから1.5時間のフェリーでバンクーバーアイランドに渡り、そこから約350km北上した先でもう一度20分のフェリーに乗った先の島にあるSointulaという小さなコミュニティでした。

Sointulaの家

築90年ほどのこの家には薪ストーブがなかったので、新品で大きめの薪ストーブを購入し、そのために床と壁の一部ににレンガを敷いてストーブを置く場所を作りました。

場所が場所だけに、何を買うにしても届くまでに時間が掛かります。

ようやくストーブが家に届く直前のことでした。

10月頭になって、カナダ政府はコロナワクチンを推進すべく、10月末からは飛行機や列車に乗るにはワクチンの接種が条件になるという旨の通達を出したのです。

そのころ妻は妊娠しており、私たち家族はだれもワクチンを接種しておらず、する予定もなかったので、この通達には愕然としました。

生まれてくる子供を日本にいる家族に会わせられなくなる。

政府が公然と自国の憲法を守らず、このような方法で個人の行動の制限を行ってしまうこの国でこの先暮らしていくことに大きな不安を覚えたので、その通達のあった翌日には日本行きの片道チケットを抑えていました。

そこからは怒涛の荷物整理と梱包、ヤードセールを行って持ち物を極限まで減らし、仕事も継続しながらすでに始めていた浴室のタイル張り工事も行ったり、家の売却や車の処分などなど、大変すぎてあまり記憶に残っていません。

そんな中、手配していた薪ストーブが家に届きましたが、送り返す時間や気力もなく、そのままレンガでこしらえたストーブ置き場に据え置きし、煙突を繋ぐことなくそのまま日本にバタバタと本帰国することになったのでした。


日本での生活の始まり

日本では所縁あって、同年12月から九州は大牟田に空き家バンクに登録されていた賃貸の一軒家に住み始めました。

大牟田の借家

借りた家は築4~50年くらいの古民家で、砂壁と化粧合板でできた壁には断熱材は全く入っておらず、いくつもある大きめの窓は全て一重窓で、カナダで住んできた家との大きな違いに驚きました。

温暖な九州とはいえ、冬の間はそれなりに冷え込み、氷点下の気温になることもあります。

断熱性能ゼロの家なので、家の中もかなり寒くなります。朝起きたら室内気温が2℃だったときには仰天しました。

とりあえず石油ストーブを買い、それで凌いでいました。

薪ストーブの導入も考えましたが、家が賃貸なのと、場所が結構込み入った住宅地の中で、隣家とも近く、家の間取り的にも置ける場所がなかったのであきらめて早3年が経ちました。

大牟田での生活は知り合いもおり、土地勘もつかめてきてそれなりに快適に暮らしていましたが、やはりもう少し自然に近い場所で持ち家が欲しいということで、空き家バンクなどに登録して探し始め、たどり着いたのがこの和水町の古民家だったのです。

和水の古民家



長くなってきたのでこの辺で一旦切ります。

続きは次回、お楽しみに!


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