寝室の床張り2
今回も引き続きカナダの大学時代の友達夫婦が来てくれています。
では引き続き、寝室の床張りの作業の紹介をします。
買い物
カナダからやってきた私の友人夫婦は結局初日は午後ずっと一緒に作業し、翌日も一緒に作業をしたいと言ってくれました。
カナダからはるばる飛んでやってきて二日間も作業を手伝わせるのは気が引けましたが、彼らは4か月間何か国に渡って旅を続けて来ていて少し変わったことをしたかったと言っていたので、そういうことならと手伝ってもらうことにしました。
正直ここまで早く作業が進むと思っていなかったので、床材はまだ用意していませんでした。
友人夫婦は、日本のホームセンターを見てみたいということだったので、翌朝コメリに集合して一緒に買い物にも付き合ってもらいました。
今日の買い物はお目当ての4m長のカフェ板8畳分です。
売り場には結構な量の板が積んであったのですが、材によって節や割れ、反りや曲がりなど若干の品質の差があります。
友人と二人で一枚一枚検品し、できるだけ節が少なく反りや曲がりの少ない選りすぐりの材を必要枚数集めました。
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なぜか選んだ床板と一緒に家族写真 |
材の下処理
家に着き、まずは死節(しにぶし)に透明の接着剤を詰める作業を行いました。
死節とは、枯れた枝が幹に取り込まれて出来た節です。
もともと枯れた枝なので、マイナスドライバーで突っつくだけで、ポロポロと欠け落ちてしまったり、指で押すだけで抜け落ちてしまったり、という感じで、放置すると穴になってしまう困った節です。
今回買った材の中には抜け落ちそうなほどの死節はなかったのですが、節が小さい穴になっているような箇所はすべてに接着剤を詰めて、死節が崩れたり最悪抜け落ちたりするのを防ぐ目的で行いました。
配置設計
スギの材は基本的に中心に近い赤身(芯材)と、外側の白身(辺材)があります。
スギを製材するときに、材によって主に赤身の物や、主に白身の物や、一部赤身と白身が分かれている物、白身と赤身が複雑に絡み合っているような物など一枚として同じ材は見当たりません。
最初の数枚は何も考えずに手に取った材を根太に打ち付けたのですが、次の材を選ぶときに色のパターンがしっくりくる物とそうでない物があることに気が付きました。
枚数もそこまで多くはないので、各材の色味やトーンを精査してどの材をどのように配置するかを事前にすべて決めてしまうことにしました。
その時に気を付けたことが、「木表」と「木裏」です。
板材には実は「表」と「裏」があり、木の中心側を「木裏」、外皮側を「木表」と呼びます。
見分け方としては、材の断面を見て、年輪のカーブの山側になっているほうが木表、谷側が木裏です。
木表は表面が滑らかで節が少なく、木裏は木目がささくれやすくガサガサした印象があります。
また、木表の収縮率は木裏の2倍とも言われ、乾燥するにつれて木表が凹に反る性質があります。
こういった特性があるので、内装で木材を使う場合には、木表が室内側に来るように施工します。
余談ですが、ウッドデッキなどを施工する際は逆に木裏が上に来るようにし、乾燥によって反りが生じたときに雨水が溜まって木が腐らないように施工するようです。
今回購入したカフェ板はすでに乾燥させてからプレーナー加工している物なので、反りについてはあまり心配はないかもしれませんが、木表と木裏をよく観察してみると、やはり木表のほうがツヤが良く手触りもすべすべしています。
なので木表を上にして全て並べてみて、赤が白に変わるポイントなどを考慮しながら全体として見た目が良くなるように配置してから板張りに入りました。
作業
作業としては、事前に考えた配置通りに材を持ってきて、その材が入る長さを毎回測って切断し、60ミリのビスで根太ごとに斜めに打ち込んでいくという内容です。
4mの材を扱うので、運ぶ時や切る時に助っ人がいてくれることで作業が格段にスムーズに進みました。
必要枚数しか買っていないので、切る時に失敗は許されません。
部屋の端が完全な直線ではないので、一枚一枚毎回長さを測り、最初は刃半枚分くらい長めに切って、必要であれば再調整をするという風に慎重に慎重を重ねました。
出来るだけ反りや曲がりの少ない材を選びましたが、それでも実際に合わせた時にどうしても隣の板との間に若干の隙間ができることがあります。
カフェ板は、一般的な実のある床板(側面が凸と凹になっていて合わさるようになっている物)ではなく、「く」の字のように加工されているだけなので、実の噛み合いの摩擦でピッタリと合わさってくれません。
なので隙間ができた時には根太に適当な材をネジ打ちし、そこに車のジャッキを置いて、床板をすでに設置した床板に押し付けるようにして隙間を埋め、その間に材にビスを打って固定することで対応しました。
3人で夢中になって作業に取り組んでいたので、作業中の写真を撮り忘れていました。
日も傾き、あたりが暗くなり始めてから最後の一枚というところまで来ました。
材の幅を少し切らなければならないのですが、部屋が微妙に真っすぐじゃないので、実際の形をだいたい30センチ間隔で測りながら材に転写して線につなげて、線に沿ってジグソーで切ります。
最後の一枚は上からストンと置くように嵌めこむのですが、「く」の形をした実の下半分が邪魔になるので、丸ノコで刃の出を調節して実の下半分だけをカットし、「く」が「/」になるように加工します。
加工した材を持ってきて合わせてみて、敷居や柱に当たっているところを重点的に鉋掛けしてピッタリになるように収めていきます。
何度もトライしては鉋掛けしましたが、どうもあと数ミリというところでなかなかフラットに入りません。
友人夫婦はその日阿蘇の宿を取っており、あまり遅くなってしまっては凍結などの恐れもあったので、ギリギリのところで完成には至りませんでした。
友人の助けもあって、たった2日間の間に驚異的なスピードで寝室の床が進みました。
そして翌日、一人で黙々と鉋掛け作業を続けました。
合わせては削り、再び合わせては削りを何十回繰り返したことでしょう。
とうとうピッタリと収まってくれました!
最後の一枚は床下から根太を貫通する75mmの長さのビスで固定し、ビスの頭が上から見えないように工夫しました。
これでメインフロアの床板張りは完成しました!
お約束の床ゴロン |
続きはまた次回お楽しみに!
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