ながら聞きできるポッドキャストのすゝめ
断熱材を施工したり、床板を張ったり、漆喰を塗ったり。
一人で黙々と作業を続けることは好きな方なので、これはこれで良いのですが、ある日、「これ、耳が暇してるな」とふと思ったのです。
そこで流し始めたのは、ストリーミングの音楽。
ところが、作業の集中が途切れるタイミングで広告が入り、気が散ってしまう…。
そんな時に「ポッドキャスト」というものがあると知り、試しに再生してみたのが始まりでした。
それからというもの、改装作業はただの肉体労働ではなく、学びと気づきの時間へと変わりました。
今回は、私が作業中にハマって聞いてきたポッドキャストの中から、特におすすめの3つをご紹介します。
自給自足でセミリタラジオ
最初に聞き出したのは、三栗祐己さんの「自給自足でセミリタラジオ」でした。
「いつかは田舎でのんびり暮らしたい…」そんな夢を持つ人にはたまらない番組。
一番上に表示された最新の話を聞き、面白そうだったのですぐに第1話から一気に聞き通しました。
パーソナリティの体験談や、地方移住のリアル、畑やDIYの話などが、ゆるい雰囲気で流れてきます。
もともと自給自足というコンセプトにはとても興味があり、色々と実践もしていて、自分で家の改装をやるというのも自分の中では自給自足的生活を目指して生活したいというところが大きな動機です。
三栗さんの職業的バックグラウンドや自給自足生活に踏み出した経緯なども、私の思想と非常に似ているところがあり、そういうところを鮮やかに言語化しながら日々の生活の自給自足的側面の紹介や、そこに至った経緯、そして生活の一部で自給自足的生活を実践しているゲストの方とのお話などなど、楽しく拝聴していました。
その中でも、特に心に刺さったキーワードは「仕事の自給」でした。
真に自給自足を目指すなら、社会的生活とは切っても切れない「お金」も自給できたほうが良い、むしろできなければ実現できない。なるほどです。
三栗さんは自給自足の専門家として札幌郊外で自給自足的生活を営み、パーマカルチャー研究所という屋号でパーマカルチャースクールの運営を行う傍ら、自身の経験を元に山で薪を割りながら会社員時代以上の収入を作る方法を体系化して本や講座で教えるということも行っており、私自身が目指したい生活をすでに体現化している先輩として色々と参考にしたいと思わせるボリュームと内容になっています。
実際に三栗さんのメールマガジンに登録したり、仕事の自給ワークショップを受けてみたり、三栗さんの著書である「自給自足でセミリタイア 2 仕事の自給編」という本を購入して読んだりと今の私の思想や行動の色々な面で影響を受けました。
「仕事の自給」とは、ただ収入を得るだけじゃなく、場所や時間に縛られず、自分の好きなことや人生の価値観とぴったり重なる仕事を作ることを指します。
そこで得られる収入は、ただのお金ではなく、感謝や喜びと一緒に受け取り、また感謝や喜びと共に使う――それがHappy Money。
お金が幸せを運ぶ循環を、自分の仕事から生み出していく新しい生き方を提唱しています。
実はこのブログを始めたのも、仕事の自給ワークショップ内で、自分が仕事としてやっていきたいことを発信できる媒体としてのブログを設置して発信していったほうがいいというアドバイスを受けて始めてみたという経緯もあります。
自分の「仕事」や、これからの生き方について改めて深く考えるきっかけを与えてくれた番組でした。
おすすめです。
心屋仁之助の「ホントの自分を見つけるラジオ」
自給自足でセミリタラジオを初回から最新回まで一気に聞き通してしまったので、次に聞ける面白そうなポッドキャスト番組を探していました。
できれば作業しながらでもサラッと聞けて、でも面白く、話数の多いチャンネルがないか探していました。
そんな中、セミリタラジオ内で三栗さんが、番組の進行役である壱岐美恵さんに進行役をお願いすることに決めたきっかけとなったと言われるこちらの番組がとても面白いと番組内で紹介されていたので、試しにふらっと聞いてみました。
聞き始めた頃は心屋仁之介さんのことは知らなかったのですが、心屋さんと壱岐さんの雑談のようでたまに深い話が面白く、心屋さんの関西弁が聞き心地が良く、一話ごとの長さも短いのでテンポよく次々と聞いていくうちにハマってしまいました。
ちょくちょく結構ヤバいことや大胆なことも平気で言っていて、聞いてるこっちが目を見張ってしまうことも。
第3回の「前者」と「後者」の違いについては衝撃的でした。
心屋さん自身のブログ記事にもこのことについて解説されています。
曰く、人間はその2タイプで分かれ、かつそれは生まれつき備わったOSみたいなもので、努力して変えることはできないと断言しています。
最初はかなり大胆なことを言い切ったな、という印象でしたが、回を聞き進めて改めてこの話に戻ってきたり、前者後者それぞれの特性などを理解していくうちに納得していきました。
これによって分かったことは、自分はどうやら後者であるということでした。ちなみにどうやら私の妻は前者のようです。
前者と後者は全く違った視点や物事の捉え方を持っており、往々にしてすれ違いがちだが、世の中にはこれら2タイプの人間がいて、各者がそれぞれのの特性や認識の違いについて「知っている」だけで多くの衝突や行き違いが避けられ、お互いが暮らしやすくなるという概念を主張しています。
実際に前者や後者の特徴の説明が、妻や私や周りの知人友人の行動の理由として的を得ている点も多く、妙に納得してしまいました。
心屋さんが一貫して伝えていることは、「がんばらなくていい。ありのままの自分で生きていい」ということだと思います。
つまり、自分を頑張って変えようとするのではなく、ダメな点も含めた自分を受け入れて心を軽く持つと、それによって周りの人間関係が「なんか知らんけど」絶妙に作用し、「悩み」だった状況が「幸せ」の方向にうまく回り始めるということだと思います。
あと、「好きなことだけして生きていく」ということも激推ししており、個人的に大いに背中を押された感覚がありました。
頑張らないで好きなことだけして生きる、とは、自分を信じる覚悟と、周りの人の優しさを信じる覚悟がないとできないこと。
嫌われないための頑張りや我慢をやめたその絶大なパワーを大好きなことに全部突っ込むことは、勇気を出してやったものにしか分からないということ。
そんなことを自身の経験ベースで繰り返し語っており、心に響きました。
今まであまり考えたことのなかった心のことについて色々な角度からアプローチしていて、新たな発見や気付きが多い番組でした。
こちらもおすすめです。
Coten Radio
Coten Radioは、歴史をテーマにしながらも、ただの年表トークでは終わらない知的エンタメ番組。
雑談のようなやりとりの中に、鋭い社会分析や深い人間観察がにじみ出ていて、つい聞き入ってしまいます。
この番組の大きな魅力の一つは、歴史上の出来事や人物を「良い・悪い」といった単純な善悪で判断せず、フラットに観察していく姿勢です。
ある時代の文化、政治、経済背景を丁寧に紐解きながら、「なぜ人々はそう行動したのか」「その選択の裏にどんな価値観があったのか」を考えていくスタイルは、それらの行動が「善か悪か」ではなく、「なぜそのような行動を取るに至ったのか」という一段上の視点(メタ認知)で考える習慣が付きます。
そしてもう一つ面白いのは、歴史上の「偉人」と呼ばれる人々が、実はすごく人間くさい存在だったということを、ユーモアを交えて紹介してくれる点。
たとえばガンジーは30歳ごろまで法廷でも声が出せないほどのあがり症で、弁護士として全く食えず、親戚のコネで食いつなぐほぼニート生活。そんな彼が南アフリカでの人種差別体験をきっかけに、社会的行動へと踏み出していくあたり、まさに「人間はきっかけで変わる」ことの象徴です。
ガンジーの人生を見ると、「社会に出遅れたこと」や「自分に自信がないこと」が、人生において致命的ではないと感じさせられます。
他にも織田信長、ナポレオンやカエサルなど、歴史上の偉人や英雄と呼ばれる人たちも、それぞれに実際には極度の自己顕示欲があったり、かなりのドジだったり、奇妙な癖があったりする話があり、そういった話を聞いていると、「人間って昔から変わらないんだな」と思わず笑ってしまったり、妙に納得したりします。
Coten Radioを聞いていると、一見小さな選択や偶然の出来事が、まるでバタフライエフェクトのように連鎖し、思いもよらない大きな歴史の流れを形作っていくことに気づかされます。
もしあの時銃弾がたばこの箱に当たって命拾いしていなければ、あるいは嵐が一日早く来ていたら、世界は全く違う姿になっていたのかもしれない。
歴史とは単なる過去の出来事ではなく、今までこの世界に生きてきたあらゆる人々が取って来た全ての行動の結果であり、連綿と繋がる偶然と必然が織りなす壮大で諸行無常な物語に見えてきます。
そして、この物語は今この瞬間も未来に向かって進行中であり、そして自分もまたその物語を紡ぎ続けるプレーヤーであるということになります。今この瞬間の自分の行動も、どこかで見知らぬ誰かの運命を変えているのかもしれません。
過去を俯瞰し、現在を自覚し、未来の連なりを意識するこの感覚こそが、まさにメタ認知だということを気付かせてくれます。
そんな風に、作業中の時間が思いがけず深い思索の時間に変わるポッドキャストです。
こちらも大いにおすすめです。
まとめ
家の改修作業は、体力だけでなく集中力も必要な地道な時間です。
そんな中で、耳と頭を使う必要のない時間は、知識やアイデアを吸収するチャンスにもなります。
音楽も良いけれど、ポッドキャストには物語や人の体験談が詰まっており、たくさんの学びや大きな気付きを得ながら、気づけば作業が終わっているほど没頭できるような魅力があります。
今回の記事では、今まで聞いてきた3つのポッドキャスト番組を紹介しました。
それぞれに違ったテーマについて、とても興味深い考察や新たな気付きにつながる話が聞けて、いずれも激しくおすすめです!
いずれも無料で全て聞けるので、気になった番組があれば気軽に聞いてみてはいかがでしょうか。
新たな世界の扉が開かれること、請け合いです。
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