キッチン天井の気密・断熱作業1
こんにちは!
2024年4月に熊本県和水町で築156年の古民家を購入し、自分たちでフルリノベしています。
いよいよ、キッチン天井の気密・断熱の実際の工程を何度かに渡ってご紹介していきます。
作業工程の予定
まず、キッチンの天井は主に2つのセクションに分かれていて、それぞれ構造や高さなどが違うので、別々にプランしました。
セクション1
上の画像左側のセクションは低く谷になっており、3cmの高さの角材の根太で天井下地板が支えられています。
キッチン側屋根と、それ以外の部分の屋根の雨水が両方から集まり、この部分はその雨水を集めて画像奥の窓方向に流す大きめの雨どいのある場所になります。
そのため、この谷の形状の天井全体が、画像手前から奥にかけて若干勾配しています。
こちらは頭上があまり高くなく、直射日光も当たらないのと、形状的に熱がこもらないので、プランとしては、
- 角材根太の間に同じ厚さ30mmのスタイロフォームを嵌め込み
- その上から全体を防湿シートで覆い
- 石膏ボードで天井を作り
- その上に漆喰を塗る
セクション2
こちらは天井が高く、直射日光が当たり、山の形なので熱がこもることが予想されます。
プランとしては、
- 屋根下地に遮熱シート(※1)をタッカーで打ち付け
- 15cmほど隙間(※2)をあけて45mm角材で根太を455mm間隔で取付け
- その根太にグラスウール断熱材をタッカーで取付け
- 断熱材同士を気密テープで貼って防湿し
- その上から石膏ボード→漆喰
という方法を取ることにしました。
(※1)
遮熱シートとはアルミ素材でできており、天井に貼ることで太陽からの輻射熱が室内に届かなくなるシートです。冬には逆に室内からの輻射熱を外に出さないので年中通して効果があります。
断熱材との違いは、断熱材は空気の層を意図的に作り出すことで、外気の侵入を防ぎます。
断熱材にも夏には熱の侵入を防ぎ、冬には熱の放出を防ぐ効果があるので、遮熱シートと合わせて施工することで効果的な断熱効果が期待できます。
(※2)
今回用意した断熱材は厚さ10cmのグラスウール断熱材です。
断熱材の上面と屋根下地板との間に5cmほどの隙間を設けることにしました。
この隙間は屋根下地を支える根太材との間から外気が入り、それによって屋根の裏側にこもった熱や湿気を外に逃がす役割を果たします。
熱は上に上がるので、屋根の頂上に換気ができるように換気棟を取り付けるのが一番理想的ですが、瓦葺のため構造の変更が簡単ではありません。
代替策として、キッチン側が切妻建てなので、切妻の両側の屋根との間に隙間を設け、両端から換気をすることにしました。
作業
セクション1は比較的単純で、30mm厚のスタイロフォームを根太の間にぴったりになるように測ってカッターで切り、嵌め込むという作業です。
町内の大工さんを紹介してくれた、和水町にすでに移住済みの友人が助っ人に来てくれました。
スタイロフォームで断熱する際に重要なのは、隙間を開けないということ。
根太の間隔が微妙に一定ではないのと、左右端でも微妙に幅が違ったりするので、意外と一筋縄ではいきません。
隙間ができてしまった場合には、細く切った断熱材を叩き込んで隙間を塞ぎます。
同時進行で、セクション2の根太を施工します。
この材は天井を解体した時に出た廃材を再利用しました。
ネットで注文した遮熱シートが届いたので施工していきます。
この遮熱シートは梱包材などに使われるいわゆるプチプチ君がアルミシートで両面からサンドイッチされていて、片面に粘着テープが施されています。
粘着テープの保護層をはがして屋根下地材に貼付けた後、タッカーで全面的に打ち付けました。
セクション1の方は断熱材と防湿シートの施工が終わりました。
セクション2は遮熱シートと断熱材が入りました。
切妻も開口部より少しだけ上に隙間を開けて木で枠を組んで、防水透湿シートを張りました。
この画像をよく見ていただくと、写真左上のセクション1の上部に大きな開口部があり、外の景色が写っています。
ここにはもともと厚さ1cmほどの板が張られていただけだったので取っ払いました。
断熱処理をする少し前に大雨が降り、その時にこの箇所の上にある雨どいがあふれて雨漏りしたことがありました。
雨どい |
雨どいの角度を調整したので大雨が降っても雨どいから水があふれ出ることはなくなりましたが、今後この雨どいに問題が発生した時にアクセスできるよう、この部分を開閉できるような断熱壁にすることにしました。
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